読書の夏、が来た。

スコォシ前の話。

好きなアーティストのライブDVDの特典にメンバー書き下ろしのバンド譚が一冊ついてきた。

その中の気になったワードを調べると

花村萬月という作家に辿り着いた。

と、いうわけで

まず何冊か買ってみた

皆月

どうやら賞を受賞した作品で、

奥田瑛二さん主演で映画化もしているそう

(当時メディア的にはV6の長野くんとウルトラマンで共演した吉本多香美さんが脱いだ事が話題だったんだってさ!)

内容

みんな月でした。がまんの限界です。さようならという手紙を残し去ってしまった妻を追って、冴えない中年の男と義理の弟、そして知り合ったばかりのソープ嬢がともに暮らし始め、そして旅に向かう。(wikiより)

主人公は変わり者の中年オヤジ諏訪徳雄

(以下オッさん)

彼には一回り下の妻沙夜子がいた。

が、ある日この妻が手紙を置いて蒸発してしまうんですねェ

そこに現れた沙夜子の弟でゴロツキのアキラ

彼と共に沙夜子を探すことになるが、

その最中、オッさんがアキラに勧められたソープで紹介されたひとりの嬢由美とイイ仲になり、一緒に暮らすことになる。

こうして流れで由美も加わり、三人で沙夜子を追う旅に出るのですというお話。

こういうコメディ要素を排除した日本文学に触れたのは学生時代に読んだ教科書以来だったからなぁって思ったけど、

文体が堅いだけで読み進めると意外とそうでもなかった。これはなぜか。

官能表現

(否定をするつもりはない。軌道修正)

この主人公、オッさんはかなりの変わり者で

職場でも仕事は出来るが変人扱いされていて、

自身の見てくれの醜さを認めつつもどこかに密かにナルシシズムを抱いている点など

個人的に自己投影をしやすい設定だったからと思う。

作中で出会う登場人物に触れていき、オッさんはどんどん人が変わっていくんですね、

人間に近づいていくというか。

そこで、今まで妻にしていた振る舞いを思い返し反省し自分でしっかりと過ちを飲み込んでいくんです。

蒸発前日にオッさんと沙夜子は外出するんですが、オッさんの行きたいところへ行きたいと妻は言い出すんです。

しかしオッさんはどうせ俺の趣味に付き合わせても妻は暇をするだけだと、その意見を流して近所にお出掛けすることにしたんです。

この時の、妻のオッさんへの歩み寄り。

ここに気づけなかったんですねぇ

(まぁ俺も気づけない気がする。)

そうした積み重ねが、妻の今回の行動の原動力を生み出してしまった。

この事実一つ一つに、旅の道中オッさんはひたすら向き合い続ける。

そして自分なりの答えに行き着く。

成長をしていくんです。

そんなオッさんに、どこか自分の将来への希望を見出してたのかもしれない。

こんなオッさんでも、人生を変えることが出来るというか、脱線した自分の生き方を修正していけるんだ、と。

終わり方ですが、思っていたようなジェットコースター的展開は無かったです。

でも、それがどこか自分には新鮮に感じた。

何でもかんでもドラマが詰まってるわけじゃない。

出来事に大小をつけるとかではなく、

なんか、作品のストーリーって最後には大団円が待ってるもんだ!って既成概念が出来上がってしまってた。

そうじゃなくたって、人は生きてるし経験も積んで確実に数秒前の自分ではなくなってる。

つまり、良くも悪くも変化してる。

これをあたりまえって流れてってしまう人生ってのは

あまりに贅沢な生き方だし

その中から小さなことでも感じ取って心を豊かにすることが大事。

そんな事にこの作品から気付かされた気がしました。

もう一冊、読んだら

また感想、かきまーす。

では